千昇との話し


忘れないうちに、なるべく多く書いておきたいと思う。


十一月場所の相撲内容の話しを伺った。
”四番目の保志桜との相撲に勝って、勢いがつきましたね”と自分が問いかけた。
”彼はモンゴル。腕をきめられ、投げなかったら、腕がおかしくなってしまうかもしれなかった”と。
テレビでは、勝負が終わった後、腕を振るっている千昇を”ピリッときたのでしょうか”と
アナウンサーが解説していた。


七番目の春日国との戦い。
物言いがつき、同体で取り直しの一戦。
その物言いの時間がとにかく長かった。
普通、物言いがつき、審判が土俵上にあがっても、コソコソ話しをしていて何も聞こえないそうだ。
しかし、今回は千昇の式秀親方、春日国の春日山親方が勝負審判だったため、相当のバトルがあったらしい。
千昇によると、”うちの親方なんか、こっちに軍配があがったんだからこっちだろ、
なんて言っているのが聞こえるんだよね”と。
相当熱くなっていたようだ。
取り直しとなり、勝ったからいいようなものだが、紙一重の世界だ。


全勝がかかる前日の夜は緊張感でなかなか寝付けなかったようだ。
長年、相撲の世界で戦っているアスリートでもそれほどの重圧やプレッシャーを感じるということだろう。
力士といえども、その辺は自分たち凡人と変わらないということだ。