式秀部屋訪問

五月場所は昨日千秋楽だったが、その初日の一週間前、式秀部屋を訪問することができた。
そのときの記録を残すことにした。


5月3日訪問。
今回は三月場所三段目優勝の千昇のお祝いと五月場所への陣中見舞いが目的だった。
予定より少し遅くなり、午前九時過ぎに部屋に到着。
部屋の外で、お相撲さんが一人トレーニングをしながら、迎えてくれた。
車の後ろに積んでいた2リットルのペットボトル6本を二箱差し入れた。
それを何の違和感なく、二箱持ち上げて運んでしまった。


稽古は終盤。
ぶつかり稽古はやはり迫力がある。
部屋の出世頭である幕下の潮光山と大河のぶつかる迫力は武道の世界に縁遠い自分の心を緊張感で締めつけてしまう。
テレビで見るのとは違い、土俵が小さく見える。
油断したら、板の間にぶっ飛ばされそうだ。
毎日、そんな稽古を続けているのだから、そんな朝もあるだろう。
初夏の晴れた気候だったが、雨の日も雪の日もいくら寒くてもとても暑くても毎日続けるのだから、
たいへんだろう。
そんな努力が実を結べばいいが、なかなかそうはいかない。


一昨年十二月に初めて訪問したときの衝撃は強かった。
そのとき、入門したばかりの若戸大橋さんを親方が紹介してくれた。
やせてひょろひょろとした身体つきだった。
今回、訪れて成長の後を実感した。
体つきがガッチリと変わり、アスリートっぽく別人に思えた。
入門したての若手力士たちを指導しながら、稽古後の土俵を整備していた。
勝ち星にはなかなか恵まれないが、精進してほしいと願うばかりである。



写真は稽古後、若手力士たちが掃除をして、水をまいたあとの土俵だ。
中央には砂を集めて、山にしてある。
先輩力士が若手に指示していた。
土俵は神々しく、凛とした清々しい空気が充満しているのを感じる。
相撲の神様がいるのであれば、そろそろ式秀部屋の力士たちに微笑んでほしい。